お皿の上は一面ムール貝?
Zuppa di cozze(ズッパ ディ コッツェ)。
“cozze”はイタリア語で”ムール貝のこと。つまり、”Zuppa di cozze”というのは、ムール貝をこれでもか!!というほどに使ったイタリアはナポリのスープです。
ナポリでは聖木曜日(giovedì santo)にこの料理を食べる習慣があるのだとか。ちなみに聖木曜日は最後の晩餐の日のことです。
“Zuppa di cozze”は実際にトラットリアなどで注文すると驚く料理の一つですね。何に驚くかというと、ムール貝がこれ以上乗らないだろうと思うくらいお皿にいっぱい盛られて出てくるのです。ムール貝があまりにも多すぎて、スープが見えないほどなのです!!というか、スープ自体ほとんど入っていない場合すらあります(笑)

スープを頼んだのに、”あれ、注文間違ってる?”と思ってしまうほどに、ムール貝だらけなのです。ムール貝だけでなく海老や蛸などの魚介がたっぷりと使われる場合もあります。ムール貝をはじめ海産物の豊富な土地ならではのボリュームですね。
フランスのムール・フリット(ムール貝の白ワイン蒸しを1人鍋1杯食べる)にしてもそうですが、西洋の人々の感覚では”ムール貝は大量に食べるもの”という先入観でもあるのでしょうかね。
ちなみに、”Zuppa di cozze”はトマトベースのものが主流ですが、トマトを入れないバージョンもあるようです。材料もつくり方もシンプルですが、その分ムール貝の旨味そのままに味わえる至極の一皿です。
今回はムール貝のみを使ってトマトベースに仕立てたシンプルなレシピを紹介します。
Zuppa di cozze の本格レシピ!!
玉ねぎは入れても入れなくても良いのですが(むしろ入れていないレシピの方が多い?)、スープの味としては玉ねぎを入れた方が奥行きが出ます。 ただ、入れすぎるとせっかくのムール貝の味を邪魔してしまうので、控えめにしておくと良いかな。 ムール貝の味をダイレクトに感じたいという場合は、玉ねぎを入れなくても構いませんが、魚介を複数入れる場合は、味の土台として玉ねぎは入れておいたほうが良いですね。