*本記事は”我が家の”シリーズの第2弾です。
**”我が家の”シリーズでは我が家の定番の家庭料理やtwitterで反響が大きかったオリジナル料理のレシピを紹介するシリーズです。
枝豆のあずま煮
実を言うと僕自身”枝豆のあずま煮”と言う料理を食べたことはない。もちろんこれは自分で作る以外ではということだが。
そもそも、この料理を知ったのは高校生の時分だったかに読んだ高田郁氏の時代小説『みをつくし料理帖』の作中だった。枝豆といえば塩茹でという印象しかなかった当時の僕には、この”枝豆のあずま煮”という料理がなかなかに新鮮だったのを覚えている。
詳しくは後ほど説明するが、ざっくりいうと”枝豆のあずま煮”というのは枝豆を甘辛く味付けする料理である。
おぼろげではあるが 小説中では具体的な調理法などは記載されてはいなかったはず(どうだったろうか?)で、聞き覚えのない料理名にどのような料理だろうかとインターネットや料理本などで調べた記憶がある。
実際、”枝豆のあずま煮”という料理は一般的な(というより定番の?)料理ではないようで、調べてもそれらしき料理はなかなか見つからず難儀した。
というのも”あずま煮”という手法は主にマグロなどの魚に使われるものであり、また一説によると戦後にできた料理とも言われているらしい。
そうだとすると江戸時代を舞台とする『みをつくし料理帖』に登場した”枝豆のあずま煮”というのは、あくまで高田郁氏の創作料理だったのだろうか。正直、料理研究家でもない僕にはそれ以上のことは知る由もないし、知る必要もない(美味しければそれで良い)。
あずま煮とは…
さて、では”あずま煮”という料理(手法)について少しばかり触れておこう。
“あずま煮”の”あずま”というのは”東”、つまり”関東風”を意味しているらしい。(そうすると関東育ちの僕には聞き馴染みがないのも当然だったのかもしれない)
たしか、『みをつくし料理帖』でも主人公は大阪から江戸に出てきた女性だったはずで、大阪の味では江戸の人々の舌には合わないとかいう問題から江戸(東京)風の味付けを模索するという話があったはず。
ちなみに”あずま煮”の由来には諸説あり、関東醤油(濃口醤油)を使うからであるとか、”あずま煮”の初めとされている『まぐろのあずま煮』のまぐろが関東で好まれていたからなどなど…であるが、どれが真の由来かは不明。
作り方としては下味をつけた上で衣をつけて油で揚げた魚を、濃口醤油と砂糖を合わせたタレでからめた料理であり、”あずま煮”とはいうものの実際は煮る過程が調理の主という訳ではない。味付けとしては照り焼きと近いとも言えるかもしれない。
ではこれを枝豆に適用すると…
枝豆のあずま煮は、塩茹でした枝豆を油で炒め、醤油と砂糖で作ったタレで絡める…ということになる。
そういうわけなので塩茹で枝豆が残った際などのアレンジ料理としても有用だったりする。では、僕の作り方を紹介しましょうか。
枝豆のあずま煮の作り方
というわけで、細かめに手順を分けて書いてきましたが、実際に作ってみるといたって手順も単純で簡単です。是非お試しあれ。